7月5日12時50分ごろに病室からストレッチャーに乗り、夫と両親、産婦人科の看護師さんたちに見送られながらあっというまに手術室へ到着しました。
広くて壁が薄緑色の手術室。「うわ〜テレビで見たことあるやつだ〜」と情けない声…。BGMには事前にお願いしたオルゴールの曲がかかっていました。笑
手術台へ〜麻酔
着てきた手術衣を脱ぎながら、ストレッチャーから手術台へズルズルと移動。
手術台の横には新生児用の保育器が2つ並んでいました。
スタッフがたくさんいるので、同時進行でどんどん準備が進められていきます。酸素マスク、心電図・血圧計など色々つけられていく間も手術室の看護師さんがずっと頭上にいてくれて、状況を伝えてくれました。
この時点で血圧の上が160あり、腹式呼吸の練習をしました。
産科の主治医を見つけてホッとする。手術室にはスタッフが15名ほどいたかと思いますが、ほとんど女性でした。病院は女性社会だなぁと思ったりしていました。
横向きのまま手術台へ上がっていたので、背中の消毒が終わると
「そのままできるだけおへそを見るように丸くなって、動かないでくださいね」
と麻酔科医から声がかかります。いよいよ始まるんだ…。看護師さんが私が動かないよう、体を抑えてくれていました。
最初は痛み止めの注射。針は点滴よりもずっと細いようで、刺した痛みは大したことないな…と思った矢先。
薬を入れると激痛!!!あたたた…と声が出て思わず動きそうになるも看護師さんがしっかり抑えてくれており、しばし痛みに耐える。。
次に脊髄くも膜下麻酔。背骨をピンポイントで思い切り押され、鈍い痛みが意外と長く続きます。痛み止めの注射を打ったからといって痛くないわけではないのだなぁ。もうやめてくれ〜という気持ちで、まだあります?と聞く。「まだあります!」と返される…。
麻酔が終わり上向きに寝かされると、すぐに下半身がポカポカムズムズしてきました。足元から順に保冷剤を当てられ、胸から下の感覚はもうなくなっていました。
顔の前に目隠しがかけられ、同時に尿道カテーテルを入れられます。触られている感覚だけは残るも痛みは感じません。不思議。
よくある手術室の六角形の照明は、反射した自分の姿が映り込みそうで怖いので術中は見ないことにしようと思いました。
「あとは執刀医の準備が整ったら始まりますよ〜」
手術開始〜誕生
名前と術式確認のあと「よろしくお願いしま〜す」の声がかかり、スタートです。
とはいえ何が起こっているかはさっぱりわからず。
頭上にいる看護師さんが、
「今ね、麻酔効いていなかったら悶絶の痛みですよ」
と教えてくれ、あぁもう切っているんだなと思うと同時に痛くないことに心底ほっとしました。
途中、何度か焦げ臭い匂いが漂いました。電気メスかな。あまり嗅ぎたくないので横を向いて回避…。お腹を引っ張ったり、押されたり。まだかなーまだかなーと思っていると
「はい、いきま〜す!!!」
という主治医の声とともに
「ギャーーッ!」
と赤ちゃんの泣き声!すごく元気に泣いていてびっくり!
しかも取り上げた瞬間、腰が軽くなった感覚がありました。
眼鏡をしていないのでぼんやりだけど、赤ちゃんは私から2mほど離れた保育器に寝かされ、助産師さんと新生児科のスタッフにすぐに処置をしてもらっているのが見えました。
その後すぐに主治医からもう一声。
「は〜い、おめでとうございま〜す!!」
「ギャーーッ!」
2人目も誕生!声を出して泣いていました。
私の足元の方にあるもう一つの保育器へ運ばれていき、姿は見えませんでした。2人の泣き声とスタッフの声で手術室がワッと一気に騒がしくなりました。
13時に手術室に入ってから、35分程度で双子が誕生しました。
そのうちに、
「胎盤出ました〜」
「子宮の収縮OKです」
「お腹閉めていきま〜す」
という先生たちの声と赤ちゃんの泣き声を聞きながら、手術が進むのをぼんやり待つのみ。
そのうちに看護師さんが「赤ちゃん来ますよ」と眼鏡をかけてくれ、助産師さんが先に産まれた姉の方を顔の近くへ連れてきてくれました。右手を伸ばして、ちょんと初めて触る我が子。小さい。動いてる。
「可愛い…」
対面は一瞬で、そのあとすぐに手術室を出ていきました。
そういえば妹の泣き声が聞こえないな…とこのころちょっと心配になる。産まれた時は声を出して泣いたのに…何かあったな。と思いました。
手術終了〜病室へ
お腹を閉めている間のこの時間が長く、もぞもぞされたり引っ張られたり、嫌な感じが続きました。だんだん麻酔が切れてきていたのか鈍い痛みを感じるように。
顔をしかめていると麻酔科医が声をかけてくれ、痛み止めを追加してくれました。
そのうちに手術が終わるとスタッフが耳元へきてくれ、双子の女の子が誕生したこと、そして妹は呼吸が安定しなかったため先にNICUへ直行したことを知らされました。時計を見ると15時前になっていました。
再度ストレッチャーに移され、主治医とともに手術室を出るもこの辺りから後陣痛が始まっていました。術中の麻酔は後陣痛には効かないのだそうです。手術が終わったのに「痛い痛い痛い〜」を連呼して運ばれていく私。
しかもストレッチャーの動きに酔ってしまい、面会室の前に来た頃には待っていてくれた夫や両親の顔もまともに見られず、早く病室へ行ってくれと思っていました。
我慢できず「吐きそう…!」と言うとどこからともなく産科の看護師さんがスッと容器を出してくれ、嘔吐してすっきり。
痛みと気持ち悪さに悶絶しながらも手際の良さに感動していました。
術後回復のための病室に到着。
ベッドへ寝かされ、そこからは痛みとの戦いでした。
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